「食料がなくても、しばらく生きて行ける。でも、『希望』がなくては二日ともたない。北極では人間の原点に戻らざるを得ないんです」徒歩で北極海横断の偉業を成し遂げた大場満郎さんの言葉である。第二次世界大戦中、旧ナチス軍による強制収容所から奇跡的に帰還したフランクル博士も、生き延びた人たちは『希望』を最後まで捨てなかった人たちであったと記録している。コロナや戦時下にあって負の影響が希望を奪おうとする。しかし聖書は、「希望はわたしたちを欺かない」と言う。幼子は母親の胸元を安全基地として外や他者へと行動範囲を広げていく。何があっても自分はだいじょうぶなのだ、という根拠と確信。決して欺かれない絶対の信頼や安心感は生きる望みと力を強める。将来如何なる事が起こるか先行き不明な激動の時代にあって、神とその言葉を信じるという事は、如何なる事態にあっても最終的には自分は絶対にだいじょうぶと落ち着ける。そのような「希望によって歩む」事である。キリスト・イエスによって示された神の愛、それはわれらが常に生きる望みを見出す拠り所なのである。(2022/4/3(日))
2022/4/3(日)礼拝講壇生花 by YOSHIKO