「平和を創り出す」:詩編34章12-15節

日米中韓4カ国の高校生意識調査では78.6%が「自分がダメな人間だと思う」と回答(国立青少年教育振興機構2023.6発表)。親から「お前は要らない」など否定的な言葉を受けて育つとその反動は社会的にも深刻な影響を及ぼすと言うが、あのヒトラーも幼少期に親から虐待されていたというから決して軽視は出来ない。一方、童話の王様アンデルセンは周囲からダメ出しされた文章を母親に褒められ、物語を描き続ける自信を得たという。「平和」は国家より先に、身近な関係や家庭から始まるのかもしれない。良い言葉かけは平和を創る。8/24東京電力福島第一原発事故による処理水の海洋放出が始まった。「少しだも人のいのちに害ありて少しくらいハよいというなよ」と謳ったのはわが国初の公害問題と闘った田中正造。遺品には聖書があった。聖書の詩人は遺言のように語りかける。「子らよ、わたしに聞き従え。主を畏れることを教えよう。喜びをもって生き、長生きして幸いを見ようと望む者は、舌を悪から、唇を偽りの言葉から遠ざけ、悪を避け、善を行い、平和を尋ね求め、追い求めよ」(詩編34:12-15)大きなことは出来なくとも小さな事から始められる。関心を自分ばかりではなく相手に向け、身近な人との対話を通して良い言葉を選び取る心が平和を創る。わずかな思いやりや親切、少しの優しさがやがて大きな愛のうねりとなって、平和が創り出されるはずだ。(2023.8.27)


2023.8.27(日)礼拝講壇生花 by YOSHIKO