風薫る5月。今年もペンテコステ(聖霊降臨日)を迎えた。約2千年前のこの日、人を生かす命と恵みの風が吹いて教会が誕生した。聖霊に満たされた弟子たちは希望と勇気が与えられ、愛の力で世界中にキリストの福音を広めた。ペンテコステの日、炎のような舌が一人ひとりに留まり、集まっていた一同は聖霊に満たされ、他の国々の言語で話し出した。そして神の偉大な働きを語る内容が多様な言語で伝わった(使徒2:1-11参照)。神の言葉と言われる聖書(旧新約)は、現在736言語に翻訳され、分冊や聖書物語などを含めると3658言語に達している(世界ウィクリフ同盟WGA2023.9発表)。ルカによる福音書1章は「聖霊に満たされた人たち」が登場する。バプテスマのヨハネは胎児の時から聖霊に満たされ、その母エリザベトと父ザカリアも、共に聖霊に満たされ神を賛美した。「ベネディクトゥス」と呼ばれる聖霊に満たされたザカリアの賛歌は、ほぼ旧約聖書の内容の解き明かしである。聖書は聖霊の導きの下に書かれた(Ⅱテモテ3:16)。聖書において客観的に示されている神の愛と救いが主観的認識となるのは、実に聖霊の働きによるのだ。聖霊は今も働いてわれらを真理に導き、神の望まれる道へと招く。われらは「臆病の霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊」(IIテモテ1:7)が与えられている」日々聖霊に満たされ、大いなる希望をもって神の望まれる道を歩もう。(2024.5.19)