『イエスの洗礼〜主イエスと螢(ゲンジボタル):ルカによる福音書3章15−21節

教会近くにある台原森林公園では毎年6月下旬頃から夏の風物詩「螢(ゲンジボタル)」が鑑賞できる。この螢は幼虫になると水の中に潜り、陸へ上がると土の中で40日間サナギになる。羽化し成虫になると3日ほど脱皮した部屋で過ごし、いよいよ外に出る。夜には発光しながら森の中を駆け巡る。(「ゲンジボタルの生態」:仙台旭ヶ丘ホタルとメダカの会資料より)螢と主イエスには共通点がある。主イエスは洗礼(バプテスマ)を受けるために水の中に入り、それから40日間荒野で試練を受けられた。十字架の苦難を受けた後、死にて葬られ、3日目に墓よりよみがえられた。「ゲンジボタル」の学名Luciola cruciataは、前胸背板にある「十字架形」の黒い模様から来ており、それは「十字架」を背負われた主イエスを想起させる。螢はなぜ光るのか?理由は諸説あるが、雄と雌が出会うためらしい。すなわち、出会うべき相手を探し求めて光るのである。現在、毎週読んでいるルカ福音書は、ザアカイと主イエスの出会いの物語がある。「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである」(ルカ19:10)という言葉は、本書の主題のひとつとも言われる。主イエスはわれらの歩む道を、御言葉をもって照らし導かれる。罪の闇に照る十字架という救いの光を灯しながら。(2024.6.30)